食道裂孔ヘルニア

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ヒトには胸部と腹部の間に横隔膜という隔壁があって、胸腔腹腔を分けています。胸腔腹腔に連続している大動脈、大静脈、食道は、それぞれ横隔膜にある裂孔を通っています。食道が通る穴が食道裂孔で、この穴を通って腹腔内にあるべき胃の一部が胸腔側へ脱出している状態を、食道裂孔ヘルニアといいます。食道裂孔からの胃の脱出は腹圧のかけ具合によっても変化しますし、立った...

食道裂孔ヘルニアがあるだけで自覚症状がなければ、単にヘルニア状態にあるだけで問題となりません。自覚症状逆流性食道炎を合併して初めて、“ヘルニア症”ともいうべき病態を呈します。自覚症状としては(1)胸やけ、(2)胸痛、(3)つかえ感が三大症状で、これは逆流性食道炎の症状と同じです。症状をとくに強く自覚するのは夜間就眠時(とくに明けがた)、かがんで草取り...

診断には(1)バリウムによるX線造影、(2)内視鏡が一般に用いられます。特殊なものとして食道内圧測定があります。X線造影所見から、(1)滑脱型、(2)傍食道型、(3)混合型に分類されています(図5)。滑脱型食道裂孔ヘルニアの頻度が高く、大部分がこの型です。X線造影を行うにあたっては、あお向けとするだけでなく、頭を下げたり、息ごらえをして腹圧をかけたりす...

生まれつき食道裂孔が緩く胃が脱出している先天性の食道裂孔ヘルニアの症例もあります。また、高齢となり体の組織が緩むとともに食道裂孔も緩んで食道裂孔ヘルニアとなる人もいます。背中の曲った(亀背)人が食道裂孔ヘルニアを合併していることは、まれではありません。そのほか、喘息や慢性気管支炎などの慢性の咳嗽性疾患のある人は、腹圧が上昇するので食道裂孔ヘルニアになり...

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